今回は、野村克也さんの「弱者の兵法」から学びます。
「学び続け、考え続ける。」
これが僕のブログのコンセプトですが、
「弱者の兵法」は僕が自己啓発初心者の頃に読んだ本で、本当に学びの大きい、感銘を受けた一冊です。
それでは、さっそく本題に入りましょう。
【おすすめ自己啓発本】野村克也「弱者の兵法」に学ぶ
2020年2月11日、長年にわたりプロ野球界で活躍し続けた野村克也さんが亡くなりました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
僕は自己啓発に取り組み始めて間も無く、野村克也さんの著書に出会いました。
たくさん本を書いていますが、最初に読んだのが、「弱者の兵法」でした。
とても感動したのを今でもはっきりと覚えています。
心に残る野村さんの名言を紐解いていきたいと思います。
人間的成長なくして技術的進歩なし
人間的成長なくして技術的進歩なし。
僕は本に書かれていたこの言葉が大好きでした。
野村さんの本に書かれていることは、人間学なんです。
「選手も一社会人。人間学、社会学を学ばなければならない。」
人としての道徳心をとても大切にしていたのが野村さんでした。
人間はなんのために生まれてくるのだと思う?
私はやはり、世のため人のためだと思っている。
人生と仕事を切り離して考えることはできない。
とすれば、人間は仕事を通じて成長し、成長した人間が仕事を通じて
世のため人のために報いていく。それが人生であり、
すなわちこの世に生を受ける意味なのである。
プロフェッショナルの「プロ」とは、プロセスの「プロ」であるといえる。
プロセスによって、人は成長するのである。
自己啓発初心者の僕に、ズドーーーンと響いた言葉でした。
ノムさんってボヤいてるイメージが強かったけど、こんなにすごい人だったんだ。
そのギャップに魅了され、のめり込むように本を読んだ記憶があります。
例えば営業マンで言えば、月の売上目標が100万円だったとします。
「営業は結果がすべて」なんて言葉がありますが、
何が何でもがむしゃらに目標を達成することは営業にとって大切な要素。
しかし、達成すればOKという訳ではない。結果至上主義になってはいけない。
お年寄りを騙して100万円の売上を達成することにはなんの意味もない。
出した結果に対してどんなプロセスがあったのか?
試行錯誤し、最後までもがいてなんとか達成した人がいたとする。
この場合は、達成までのプロセスの中で、考え、工夫し、成長することができる。
「勝てばいい」「結果を出せばいい」という誤った指導者が多い現代だからこそ、
指導者には人間教育には求められると言います。
野村さんは、『失敗と書いて「せいちょう」と読む』という言葉を残していますが、
本当にプロセスを大切にしているんだなぁと感じる名言ですね。
ジャンプの段階
プロにはホップ・ステップ・ジャンプの三つの段階がある。
ホップはプロ入りしたばかりで何もわからない卵の状態。
ステップはプロの厳しさに直面した段階。
そしてジャンプがいよいよ一軍に上がり、
レギュラーを掴めるかどうかの時期だ。
おまえはいま、まさにジャンプの段階にある。
この時期は、朝から晩まで、もっと言えば眠っているときでも
野球のことだけを考えていなければならない。
ここを通らなければ、絶対に一流にはなれないぞ。
ちょうどこの頃の僕は、チームリーダーになり、
仕事を頑張らなければいけない時期でした。
まるで自分のことを言っているようでした。
僕はこの言葉通り、四六時中仕事のことだけを考えて生きていました。
休みの日も家で仕事をやったり、仕事のことばかりを考え続けていました。
今は時代が変わり、「働き方改革」「ワークライフバランス」という言葉が
飛び交うようになってきましたが、僕は働きたい人は働ける社会も大事だと思っています。
野村さんも言っている通り、人には頑張らなければいけない時期があるということです。
「圧倒的な仕事量」の中でしか得られないものがあるからです。
これはやった人にしかわからない。
そして、量を経験したことのない人が「仕事は量よりも質である」と言っていたりします。
今の自分にとって一番必要なことは何なのか?常に意識しておくことが重要です。
これから飛躍の時期を迎えようとしている人もたくさんいるかと思いますが、
この本はそんな方にぴったりだと思います。
指導者は言葉を獲得しなければならない
監督はそういういわば「凡人」を指導しなければならない。
そこでは当然、感覚だけでは通用しない。
何を言っているのか、何を伝えようとしているのか
選手が理解できなければ、どうしようもないのである。
では、そのとき必要なものは何か。
いうまでもない。言葉である。
自分が持っているノウハウや技術、
理論を的確かつわかりやすく伝えるためには、
「表現力」が必要不可欠なのだ。
表現力如何で、選手の理解度はまったく違ってくる。
だからこそ、指導者は言葉を獲得しなければならない。
チームリーダーになり、指導する立場になった僕は、
この言葉にも衝撃を受けます。
僕は話すよりも書くほうが得意で、話すのが大の苦手なのです。
これに関しては、だいぶ月日が流れてもいまだに書くほうが圧倒的に得意なんですが、
以前と比べるとだいぶ話せるようになってきました。
「自分の考えていることを100%相手に伝えることは無理である。」
心理学を学び続ける中で、僕がたどり着き確信している結論です。
現実的には100%どころか50%伝えるのも一苦労です。
伝えきることができないことを大前提として考えた上で、
どうやって100%に近づけていくか。
先ほどの野村さんの言葉にもありましたが、プロセスが大事です。
伝えるために検証し、考え、工夫し、改善し、実践するという
プロセスの中で人は成長していきます。
一応自分なりに考え、自己流で頑張っているつもりでも、
ある程度のところで行き詰まってしまうのが現実でしょう。
なんにせよ、やはりその分野で一流の人がいるものです。
その人の成功パターンというか、勝利の方程式というか、型というものが存在します。
自己流ではなく、きちんと学んだ上で正しい方向に向かって努力することが肝要です。
と言ったものの、僕自身、まだこの分野は十分に学べていません(笑)。
これから、一度しっかりと取り組みたいと思います(笑)。
人を育てるためには、やはり言葉が必要です。
表現力を磨き、世のため人のために使っていきたい。
言葉の大切さを教えてくれたのも野村さんでした。
人を遺す
格言すれば、人間とは人間を遺すために生まれてくるのではないだろうか。
これも僕が大好きな野村さんの言葉。
野村さんの言う「人材を育てる」と言う意味は、たんに選手として一前にするということではなく、
その前に、「人間として一流」にしたかどうかが大切だということです。
優勝回数や野球の知識といった目に見えるものだけが大事なのではないんですね。
「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を残すを上とする」
という中国のことわざを色紙に書いとことがあるそうですが、
「財を遺すために一生懸命働いているのに、下とは何事か!」
という抗議を受けたことがあるそうです。
野村さんは、財産を遺すことも仕事を遺すことも大変なこと。
だが人を遺すことはそれ以上に大切で困難なことだという意味を込めていました。
では、「人を遺す」ことにいったいどんな意味があるのか?
世の中がもっと良くなるには、やはり人だと思うのです。
人の考え方が世界を動かしていくからです。
世界が良い方向に向かっていくような考え方をする人が、
一人、また一人と増えていき、小さな力が徐々に大きくなりながら、
どんどん加速していき、やがて大きな推進力となり、世界を変えていきます。
そういった人間の根幹が「考え方」であり、
それを伝えていくことが「人を遺す」ことなのでしょう。
動物的に、物理的に子供を産み、遺していくことも
今の日本においては重要な課題となりましたが、
野村さんのいう「人を遺す」とは、人間だからこそできる方法であり、
そこには一人や二人ではなく、多くの人を遺すことも可能な、大変意味あることなのです。
それは、こうした文章で伝えていくことも可能です。
インターネットの普及によって、ますますそれがしやすい世界になってきました。
この意味をしっかりと理解した上で、僕の志や想いを込めながら、
今後もブログを使った活動を続けていきたい。
改めてそう感じることができました。
終わりに
まだ自己啓発初心者の頃、そんなタイミングでこの本で出会えたことは幸運でした。
今回、改めて読み直したのですが、初心者の頃より、今の方がより感銘を受けました。
テクノロジーの進歩が著しい変化の時代であっても、
こうした人材育成論、組織論は不変であることに気付かされます。
つまり、
☑️物事の本質は変わらない
☑️本質を掴むことが大事である
ということを学びとることができます。
こういった叡智を学べる本は貴重です。
今後も野村克也さんをリスペクトしていこうと思いました。
では、また!