今回は、N国党党首・立花孝志「ぶっ壊す力」から学びます。
「学び続け、考え続ける。」
これが僕のブログのコンセプトですが、
「ぶっ壊す力」は学ぶことが多く、共感するポイントがたくさんあった一冊でした。
それでは、さっそく本題に入ります。
【読書/本】N国・立花孝志「ぶっ壊す力」に学ぶ
ぶっ壊す力 著/立花孝志
立花さんのことを話題にするのは実に久しぶりです。
以前はN国をずっとウォッチし、たくさんブログ記事も書いてきましたが、あまりに立て続けに選挙に出るので、追いきれなくなりやめてしまいました。
最近はすっかり話題にならなくなりましたが、この本を読み、改めてこのまま終わる人じゃないと心から思いました。
待つという戦略
ホリエモンの言う通り、本当に天才的なビジネスマンなんです。マーケティングとか心理学とか、しっかりと抑えている。
僕もある程度知見がある分野なので、そのハイレベルさに舌を巻いてしまいます。
第1章「破壊力」では、待つという戦略を語っていました。あとがきにも同じことを書いていましたが、「今は徳川家康の気分で心おだやかに待つときだ」「時期がくれば世論が勝手についてくる」と言います。
僕も完全に同意なのですが、僕が思うにそうなるのはかなり先だということです。今の有権者層の過半数がスマホを持つような、そんなガラリと変わるようなときを想像します。
現時点でテクノロジーの波が押し寄せ、近い未来が大きく変わっていくことが容易に想像できますが、現実に末端まで普及するにはまだまだかかる。
「完全に来た」と思ってから何年も来ないのが実態であると僕は考えています。
つまり立花さんの話は軽く10年以上先の話ではないかと思うのです。早く政治家をやめたいと言っておきながら、おそらくかなり長期の視点で見ている。
この本を読み進めていると、今の小中学生が有権者になる頃までも想定していると言っていました。
やはりそうだ。
でもその戦略はおそらく正解だと思います。今行動を起こしてもどうにもならないのが見えています。全てを想定している立花さんがこれからどう戦っていくのかが、非常に興味深いですね。
ひとつポイントになるのが、次の衆院選だと思います。ここでN国がどう動くのか、議席数がいくつになるのか、N国に対する国民の反応はどんな感じなのか、
衆院選次第で今後さらに待つ覚悟が必要なのか、動きを加速させるのか、N国の行動が変わってくるでしょう。見どころ満載でおもしろくなりそうです。
NHKという王将を取る戦略
"ヘボ将棋王より飛車をかわいがり"という有名な将棋川柳があります。
将棋は「王将」の駒を取られたら負けですが、相手を攻めたい一心で攻撃力の高い「飛車」に執着するあまり、肝心の「王将」を取られて敗戦してしまうということです。
そんなバカな話が?と笑うかもしれませんが、これが「王将」ではなく、「歩」だったらどうですか?
多くの人は「歩」よりも「飛車」を取られないことを第一優先に考えるじゃないですか。
しかし人工知能であるAIは「飛車」も「歩」も駒はあくまで駒として、同等にしか見ないそうです。
つまり、そのときどきの状況に応じて、相手の「王将」を取るという一番の目標のためには、いまは飛車よりも歩を重要視せよという選択ができるというわけです。
大切なのは、長期的な目標は不変であること。戦略は変えないということです。その代わり、戦術は、その時々に応じて変化させていけばいいのです。
とてもわかりやすい例えですね。
僕はよく感情を排除して事実だけを見ることで、物事の実相が掴めるようになると言っています。
それと同じことを言っています。まるでAIのように感情抜きで物事を捉えると、このような選択も可能になるということです。
このあたりを見るとですね、やっぱりこの立花孝志という男の能力の高さを感じてしまうわけです。さすがです。
先にした待つという戦略の意味が見えてきますよね。
立花孝志と心理学
第4章 戦略力
どうしたら初対面の人とスムーズに話せるようになるか?
・まずは笑顔を忘れないこと
・次は、相手のことを注意深く観察すること
・立食パーティーなどでは、自分から話しかける。知らない人と仲良くなれるだけでなく、相手の負担を減らすことにも繋がる。
・相手のことを注意深く観察する。初対面の人に苦手意識を感じるのは話題が見つからないから。話題が見つからないのは相手のことを知らないから。
・相手を観察し、疑問を質問に変えていけば自然と話題になっていく。
・驚きと楽しみを与えることで、知らない世界から知っている世界に来てもらうことができる。
僕なんかはこれにドンピシャで、初対面の人が本当に苦手なんです。そういう立場から読ませていただくと、すごいなぁと思うわけです。
極めて実践的で、特に自分から話しかけるのは、相手の負担を減らすことになるという考え方とか、全然主観に捉われてないんですね。
僕は成功者というか、世の中で活躍している人たちの共通点に、メタ認知能力の高さがあると思うんです。
立花さんもかなりこの能力が高いと思います。そして自身が言うように、心理学を勉強しているところも強いところ。
とりあえず相手の負担を減らせるという視点を持って、今度初対面の人に話しかけてみようと思いました。
「なぜ?」がなくなるまで、論理的に考え続けると、最後は自分の欲に突き当たります。
「なぜお金が欲しいのか?」の答えを自問自答で繰り返し、「美味しいものが食べられるから」とか「きれいな女性とセックスできるから」という、自分の欲に突き当たったら、それが正しい目的になるわけです。
大切なのは、自分の欲に突き当たるまで、自分の目的を分析することです。
突き詰めた答えが、「誰かを喜ばせたい」という自分以外にたどり着いたときには、その答えや目的が間違っていることに気づいて欲しいのです。
最後の目的が、自分の欲を満たしていないと、永続的な力にはならないのです。
ここはちょっとわかりにくいかもしれませんが、やっぱり心理学を知っているんだなぁと思わされます。
たとえば、「彼氏や彼女が幸せであることが、自分の幸せです。」っていう人がいるじゃないですか。
過去の僕がそうなんですけどね(笑)。
心の底からそう思っていたんですが、心理学を学んでいるうちに、実はそれは間違っていたということに気づかされたんです。
本当にしっかりと時間をかけて、真剣に自分自身と向き合い、主体的に人生を生きられるようになってきたときに、それが見えてきました。
立花さんは、しっかり自分と向き合って内省している人だということがわかります。
ネット社会について
・一つのことに集中し、より専門性を高めることに特化した人間しか生き残れないはずです。
・学校から帰ったら宿題もしないで寝るまでゲームばかりしていた子供が、大人になり、eスポーツで何億円も稼ぐことだってあり得るわけです。
・最近は「大人のレゴ教室」が開催されるなど、得意なことをやり続け、それをブログなどのSNSで発信し続ければ、いつどんなところで注目されるかわからなくなってきているのです。
・いまや日本のベンチャー企業では、オフィス内をスケボーで移動したり、愛犬を連れてきたりと、高齢者が見たら遊び場と勘違いするようなオフィスが実際にあるわけです。
・そんな時代だからこそ、「平均点を上げろ」という大人の意見は無視してもいいんじゃないかと、強く言いたいのです。
・新しい仕事や考え方が、YouTuberが生まれたように、インターネットから次々と誕生しています。
・ネット社会の今、過去のものさしだけで物事を判断し、子供にアドバイスすること自体がナンセンスだということを、大人たちは一刻も早く気づいてください。
全く同感です。
今という時代がしっかり見えてるんですよね。加速度的に変化する時代を見極める能力も兼ね備えている。
こういったひとつ一つの能力が「ぶっ壊す力」を構成しているんですね。
多様性を認める
・誰にも迷惑をかけていないのなら、相手を認めてあげましょう。
・多様性を認めた先に、新しい発想が生まれます。
・他人の利益を侵害しない「面白ければいいじゃん」が広まって、多様性を認める社会が根付き、新しい発想で社会がより豊かになることを期待してます。
・日本の企業では女性や障がい者の雇用、子育て支援など、労働人口の減少を防ぐためのマンパワー確保を目的にしている傾向が強いように思えてなりません。
・多様性を理解するには、この地球上にはさまざまな人がいるということを知ることから始める必要があるのです。それがベースにあってこそ、互いの個性を尊重することができ、多様な視点が生まれ、議論が活発になるのです。
この視点も極めて重要です。
僕は生物多様性があるからこそ、安定があるのだと思っています。
生物が絶滅しないためには、多様性を持つことが必要なのです。
数え切れないほど生物の種が多様であるから、一種が絶滅しても安定を保てます。
いろんな性格の人がいるから極端な偏りを避けて安定します。
いろんな民族性の国があるから世界は均衡を保ち安定します。
これはひとつの真理ですよね。
立花さんの視点はここでも正しいと僕は思うんです。
おわりに
「ぶっ壊す力」ってかなりキャッチーで過激に聞こえますが、本を読んで改めて思ったことは、もっとずっと緻密で繊細で考え抜かれた要素が統合された力であるということです。
ジャイアンみたいな乱暴なイメージを抱いてしまいがちですが、全くもって次元が違います。
常識人間とはかけ離れていますが、これからの時代は常識人間は通用しない世の中になっていくはずです。
文字が大きく、文字数も少ないので読みやすい本ですが、しっかりと読んでほしい本です。
では、また!